やる記

自意識を集めて高し下駄の歯々

すると、C101があった。

 こんにちは。激寒冬太郎です。クソ寒も極寒の折、おれはマジで一生布団から出たくなくて無限に練りをいたしておりますが、お元気でしょうか。

 さて、今回は、おれがコミックマーケット101(C101)に参加することとなった顛末と、その感想について、メモを残しておこうと思います。そういう記事が、あってもよい。

 

TL;DR

 楽しかったので、C102にも申し込みます。

 

 

申込の実施

 事の発端は、おれが500mL(@0500mL)にそそのかされて、冬コミに申し込んだことでした。

 これに関しては、「いつまで経っても創作が完成されない」「締切を作って自らを追い込むべきだ」みたいな会話があった気がします。

 ともあれ、締め切りを設定したので、頒布する同人誌を作ることにしました。ネタは寝る前に妄想しているものが溜まっていたので、それを流用することにしました。

 

締切直前-コミケ前々日

 https://twitter.com/liter_a_ally/status/1587485139377868800?s=20https://twitter.com/liter_a_ally/status/1587485139377868800?s=20そして時は流れ、12月となりました。

 この時点で積み上げたネームの枚数は39枚、ペンが入ったページの数がわずか5枚程度*1と、かなりの危機*2。当初設定した締切は12月14日。しかし、おれにはこの逆境をひっくり返すウルトラCが……

https://twitter.com/liter_a_ally/status/1608148447777140736?s=20

 ありませんでした。

 みなさん(実際に声をかけていただいただけでも総勢7人!)に尻を叩いてもらっていたにもかかわらず、結局第1締切の12月14日、第2締切の19日、第3締切22日、第4締切25日を全て破り、C101前々日の12月28日になってもまだ入稿データが完成していませんでした。

 言霊?

 しかし、初のコミケサークル参加で原稿を落としていいはずがありません。当然既刊はないので、本当に何もない虚無のスペースで謝罪を繰り返す本当に最悪の成人が発生してしまいます。そのため、禁忌とされていた徹夜を駆使することでどうにか持ち直し、12月29日の早朝には表紙を完成させ、そのまま入稿データを完成させました。

 

コミケ前日

コスプレ準備

 しかし、本当に大変なのはここからでした。不思議な話の流れで自分の描いているキャラのコスプレをして同人誌を頒布することになっていたので、同人誌の他にコスプレの用意もしなければいけませんでした。

 最後にコスプレをしたのが2022年の五月祭であったことから、当初は原稿が終わり次第メイクの練習や衣装の手直しをしようと考えていました。しかし、前述のように、原稿が終わったのはこの日の早朝。当然、コミケ前日にもなってコスプレの準備が一切できていない最悪のオタクが発生していました。

 最悪ですね。

 しかし、これだけにかかりきりになっているわけにはいきません。なぜなら、この時点で以下のようなタスクが残っていたからです。

  • ブース備品の購入
  • 印刷/製本
  • 荷物の梱包
  • 売り子(@Units_SI)の初コス準備手伝い
  • サクチェ*3

 そういうわけで、ある程度のコスプレ準備を終わらせたら、買い出しに行くことにしました。

買い出し

 今回買うべきものは、製本用のステープラーとポスタースタンド、机の上に敷く布、そしてその他の細々した文具です。これらを入手するため、東急ハンズユザワヤに向かいました。

MASKINGT APE(そういう、類人猿)

 道中で定期券を紛失して新しいPASMOを発行する羽目になったものの、なんとかお目当てのものを購入し、Units_SIの待つ本日の夕食拠点へと向かいました。

 この時点で時間はすでに17時半近く。コミケ入場まで14時間を切ろうとしていました。

 

印刷

 結局、印刷を開始したのは19時半でした。入場12時間前に印刷をしているの、なかなかな修羅場だと思いませんか? 誇るな

 夕食拠点のすぐそばのセブンイレブンに走り、プリンタの前で30分くらいクネクネしながら印刷していました。セブンイレブン富士フイルム、ありがとう。

www.doujinshi-print.com

 ところで、印刷していたら、USBを持った他の人間が入店してきて、大量印刷を行っているおれを視認するや否や踵を返して去っていったのですが、もしかしたら同類だったのかもしれません。彼の無事を祈ります。

 

製本

 コミケ前日に大量のコピー用紙を持って寝ぐらに戻ったらやること、みんなはわかるかな? そうだね、製本だね。

 紙の山から4枚取ってステープラーで留めて、を繰り返すだけの作業なのですが、うっかり手を滑らせて自分の描いた絵を見てしまうと正気度が大幅に削られるので、必死に目を合わせないようにしていました。魔導書の写本を作るカルトの研究者とか、認識災害に抵抗しながら報告書を綴るSCP財団職員ってこんな気持ちなのかなあ、とか考えながら製本をしていました。

 1冊製本できたことで急に同人誌を作っている実感が湧いてきて小躍りするオタク。

 なんだか文化祭準備をしている雰囲気になってきて、テンションがかなり上がっていました。文化祭楽しかったですよね。

文化祭は大人の文化祭

国際単位系 (@Units_SI) 2023年1月1日

 

 そして、ついに製本作業が終了しました。コピ本とはいえ、自分が描いた絵が本になっている、という事実が素直に嬉しく、かなり興奮していました。

 

夕食

 製本が終わると、すぐに夕食です。おれが製本をしている間に、Units_SIが異常に豪華な夕食を用意してくれていました。サークル主に比べて売り子の準備が良すぎる。

 見た目もきれいで非常においしく、楽しい夕食でした。料理できるオタク強すぎる。天然ウナギ専門店の主としては、次回はおれが天然ウナギの料理を用意しておくべきなのかもしれないな、と思いました。

 

そして就寝へ

 食事の後に荷造りも終わり、明日の告知も完了しました。

 販促PV*4Twitterにアップロードし、就寝の準備が整いました。

 

 というわけで、各バ一斉に就寝!

 ……せずに、Units_SIの用意してくれていたケーキとワインでクリスマスを祝いました。なんとプレゼントまで。

 サークル主に比べて売り子の準備が良すぎないか? こんなに準備が良くていいはずがない。コミケ2周目?

 

 そういうわけで、1時まで粘って起きた後、就寝しました。

 

コミケ(1日目)当日

 当日は5時に起床しました。家ではベースメイクをするだけなので、本当はもう少し遅めに起きることも考えましたが、おれの天敵であるカラコンを入れる作業があったので、少し早めに起きました。

 結局、カラコンを入れるのに40分かかりました。早起きしてよかった!

 その後、荷物を持っていざ国際展示場へ。道中で忘れ物に気が付きましたが、カラコンのせいで取りに戻る時間もなかったので、泣く泣くそのまま向かいました。ごめんね、アグネスタキオンさんの靴さん……

 

ビッグサイトに到着

 最後に行ったコミケがC95だった(ような気がする)ので、実に3年越しの東京ビッグサイトでした。あの時は寒空の下に座りながら恨みがましく見つめた逆三角錐でしたが、今回はサークル入場ということもあって、優しく微笑みかけることができました。

 さらに、この駅から会場に向かっている道中で、サークル「逆たまごかけごはん」の秋山翠花さん(@MTDTR_tk)とその売り子のぽゃんちゃん(@lactoneinfo)に偶然遭遇しました。残念ながら会場が別ホールであるため、後の再会を約束して別れることとなってしまいましたが、2人とも同学のオタクで、普段から仲良くしてもらっていることもあり、かなり勇気が湧きました。

 

更衣室へ

 入場後は、速やかに更衣室に向かいました。コミケともなると、さすがに男性更衣室も満員になるくらい男性コスプレイヤーがいました。とはいえ、おれの所属している学内コスプレパフォーマンスサークル「まるきゅうproject」の方が男性コスプレイヤーが多く、更衣室の混雑具合も上だったので、満員の更衣室でも悠々と着替えることができました。

 スタッフの方たちも更衣室近辺では残らずコスプレをしていました。サークル参加者よりも早く入場してクオリティの高いコスプレをしていた、と考えると、あまりの早起きに頭が上がりません。名誉がある方の徹夜組の方もいらっしゃるのかな、と思いました。

 提督(艦隊これくしょん)のコスプレをしている人や時雨(艦隊これくしょん)のコスプレをしている人もいて、自分が過去浸かっていたジャンルがまだ生きながらえていることに、多少の安堵と懐かしさを感じました。

 

ブース設営

 ブースに戻ったので、とりあえず隣のサークルの人に挨拶。コミケには何回もサークル参加されている方らしく、おれがブースに着く頃にはすでに綺麗に設営を終えていたのが印象的でした。

 おれと売り子のUnits_SIが両方ともブースにいられない時間が発生してしまいましたが、たまたま他サークルの手伝いで会場に来ていたLexさん(@_Lex_icon)が見ていてくれたので、なんとか耐えました。本当にありがとうございました。

 

 45分の更衣室使用時間ではコスプレ衣装の着用が終わっていなかったので、ブースの中で試験管に青色の水を注ぐ作業をしていたところ、ご近所のブースから「実験してるー!」という声が聞こえてきて、ちょっと嬉しくなりました。

 ちなみに、ロールプレイ用に買った午後の紅茶ストレートティーは、想像以上の甘さに会場内で消費しきることを断念しました。

 

 挨拶回りもしたかったのですが、創作垢を全然動かしていなかったこと、名刺を持っていなかったこと、そしてなによりサークル主も売り子もコスプレをしに行っていたので挨拶をしにいくとブースが空席になってしまうことから、断念しました。サクチケ3枚ください。

 

開場

 そんなこんなで設営も完了し、開場しました。ここからは概ねいつものコミケでした。入場者数が最大9万人ということもあり、記憶にあるよりもだいぶ人口密度が低くありましたが、それでもどちらを見ても大量のオタク、オタク、オタク……彼らがTwitterのアイコンの向こう側にいる、という事実に、良くも悪くも眩暈がするほどでした。

 おれがいたのがアグネスタキオンさんとマンハッタンカフェさんの島だったということもあり、アグネスタキオンさんのコスプレの人はたくさんいました。最低でも5人はいたと思います。誰も彼もクオリティが高く、自分で衣装を作るモチベーションがぐんぐんと上昇するのを感じました。

 一方で、マンハッタンカフェさんのコスプレをしている人は2人しか見かけませんでした。ほぼ独り占め!

 

 どちらを見てもおれの絵よりもクオリティの高い絵が並んでいる、という状況に心を痛めながらしばらく椅子を温めていると、ついに1人目のオタクさんが来てくれました! ジャンル全買いの人だったと思うのですが、めちゃくちゃテンパってしまったために何を話したのか一切覚えていません。

 そこからは堰を切ったようにTwitterのFFやそうでない人たちがたくさんブースを訪れてくれました。自分の描いた絵を手に取ってくれるだけでも嬉しいのに、個人宛の差し入れというものを生まれて初めてもらったので、めちゃくちゃ感激しました。

 ハンネ一覧、おれのブース以外で発生しない差し入れすぎてめちゃくちゃおもしろいです。額に入れて飾ってあります。

 

 そして13時30分、ついに完売しました!

 刷っていったのが30部、このうち最高で20部くらい捌けるだろう、と予想していたので、完売するのは予想外でした。2, 3部しか捌けずに泣きながら帰ることも覚悟していたので、こんなに手に取ってもらえたことに対する感謝と、TwitterのFFのありがたさ*5、そしてジャンルパワーの強さに対する驚愕が入り混じった謎の感情が溢れていました。

 

 その後は、ブースを片付けてタキカフェ島のサークルを一通り行脚し、友人のサークルをいくつか周りました。

 個人的には、ずっと忙しそうにしていたendenさん(@enden_nix)が無事にコミケに参加できていたのが一番安心しました。

 

撤収

 コミケット1日目閉場の拍手を行ったあと、ブースのフォーマットを行い、帰宅しました。

 

 帰り路で逆たまごかけごはんの2人と合流し、そのまま打ち上げでも行おうか、という流れになったのですが、おれの疲労と眠気が限界に達していた*6ため、先に帰りました。

 

 ところで、おれの目の前で☆3ウマ娘を3枚抜きしたぽゃんちゃんを、おれは許しません。本物の3枚抜き、初めて見た。ちなみに、この直前に同じ人がSSRを2枚抜きしてました。マジで意味不明。

 

帰るまでがコミケです

 

あとしまつ

 初めてのサークル参加で、いろいろ学ぶことがありました。

 念入りな準備、コスプレのクオリティ向上、ブースの装飾性向上、画力の向上、とにかく自分が力不足であることが分かったので、次のイベントに向けて修練を行いたいと思っています。今回は起承転結の「起」の部分しか頒布できませんでしたしね。

 

 一方で、コミケの作業に注力するあまりに放棄してしまってきた様々なもの(勉学や、人間関係など)を取り戻す作業も行わなければいけません。

 まだまだ課題は山積みですが、ともかく、C101が終わりました。ありがとうございました。次のイベントこそ、新刊あれ!

 

 

//twitter.com/Units_SI/status/1600105813619527680?s=20

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:漫画を描く工程には、ページをどのように構成するかざっくり決める「ネーム」と呼ばれる工程と、実際に印刷される絵を描く「ペン入れ」の工程があります。この二つの間に下書きの工程が挟まったり、ペンを入れた後に色を塗る工程やセリフを入れる写植の工程が入ったりすることもあります。

*2:当時のおれの能力では、1ページあたり5, 6時間かけてペン入れを行う必要がありました

*3:当然、出展するだけでなく他の参加者さんのブースにお買い物に行こうとしていたので、どのサークルに訪れるかをリストアップする必要がありました。

*4:これもUnits_SIが作ってくれました。サークル主に比べて売り子の準備が良すぎる。

*5:遠くからわざわざやってきてくれた人もいました。大感謝!

*6:徹夜、3時間半睡眠でここに来ており、長時間起床に耐えられないおれにはかなりキツかった。